平成28年度総括研究報告書

各地方公共団体における墓地経営に関する情報共有のあり方に関する研究

平成29年3月

研究代表者 浦川 道太郎
公益社団法人 全日本墓園協会 特別研究員(早稲田大学 名誉教授・弁護士)

総括研究報告書/関連資料

4-1-2 都立霊園の多様化による情報共有の必要性

公益財団法人東京都公園協会 大篠 則子

1.はじめに

東京都にある8 つの都立霊園は、都民からの高い需要がある大規模な霊園施設である。 近年、都立霊園内には、少子化・核家族化などによるお墓の多様化や都民ニーズの変化などにより、さまざまな形式の墓所が作られている。
現在都立霊園を管理運営しているのは指定管理者である公益財団法人東京都公園協会であるが、それらのさまざまな施設を統一的に管理運営する上では情報共有が必要である。それら施設の特徴や、管理運営上必要な配慮等を踏まえた上で、情報共有の必要性を検証する。


2.都立霊園の管理運営の現状

公益財団法人東京都公園協会(以下「公園協会」)は、昭和60 年10 月1 日、全8 箇所の都立霊園の管理運営を管理受託業務として開始し、平成18 年4 月からは、指定管理者として管理運営を開始して現在に至っている。
8 つの都立霊園には、一般埋蔵施設などの個人墓所のほか、合葬式墓地や樹林墓地、納骨堂などがあり、使用者数は約28 万人にのぼる。公園協会では、それらのお墓に関する、管理料等の収納事務、埋葬・改葬、名義変更、無縁墳墓調査業務などのほか、新規使用者の募集や抽選会の運営、審査なども行っている。これらの膨大な事務手続きは、墓地、埋葬等に関する法律や東京都霊園条例などに則って公平・公正に行われる必要がある。
都立霊園に関する事務には多くの種類がある。管理料に関するものでも、管理料の請求、収納のほか、住所変更、口座振替、滞納者への督促業務などの手続きなどさまざまである。また、全霊園で年間約8千件にのぼる承継(名義変更)手続きは、名義人や承継者の状況に応じて手続きに必要な書類が異なることがあり、古い戸籍を読み込んで審査するなど専門的な知識が必要となる。
これらの手続きは、申請者にとっては煩わしいことである場合もある。そのため、利便性を高めるため、管理料の収納や、名義変更の手続きなどは、平成18 年から、使用している霊園以外の霊園や、公園協会本社などでも手続きができる「どこでも窓口」というサービスを実施している。
また、以前は、使用者に関する情報は紙製の台帳だけで行われていたが、平成3 年からは東京都により導入された霊園管理システムにより使用者情報をデータ化し、検索、管理できるようになった。このシステムは、平成24 年に東京都により改修され、使用者情報もより検索しやすくなったほか、埋葬者情報なども、入力できるようになった。さらに、過去の台帳を画像化し、それぞれの使用者情報から確認できるようになったため、どこでも窓口で他霊園の手続きをする際の効率性が高まり、また歴史的に貴重な台帳を将来にわたって保存するための安全性も高まった。


3.都立霊園のお墓の種類

都立霊園では、これまで様々なニーズに応えながら新たなタイプのお墓を開設してきている。それぞれの特徴について述べる。


① 一般埋蔵施設(一般墓地)
写真1 一般埋蔵施設(青山霊園)

都立霊園で一番数が多いのは、この一般埋蔵施設である。一般埋蔵施設は、平面形式の更地の状態で貸付されるいわゆる昔から日本にあるタイプの墓所である。
使用者は、設備制限の範囲内でカロートや墓石等を設置することができる。



② 芝生埋蔵施設(芝生墓地)
芝生墓地は遺骨を入れるためのカロートがあらかじめ設置されており、墓石は使用者が設置する。昭和46 年に開設された八王子霊園は、全ての墓所が芝生埋蔵施設で、独特の整然とした景観が特徴となっている。八王子霊園以外に、多磨霊園、小平霊園、八柱霊園にも芝生埋蔵施設が設置されている。
平成26 年度からは小平霊園に、これまでの芝生墓地に比べてサイズの小さい小型芝生墓地が開設された。

写真 2 芝生埋蔵施設(八王子霊園) 写真 3 小型芝生墓地(小平霊園)


③ 壁型埋蔵施設(壁型墓地)
写真4 壁型埋蔵施設(多磨霊園)

自然石で造られた墓碑を壁面状に8~10 基程度連続的に配置した墓所で、使用者は墓碑に石製の家名板などを設置することができる。平成3 年に多磨霊園、小平霊園、八柱霊園で導入された。




④ 長期収蔵施設(多磨霊園みたま堂)
写真5 多磨霊園みたま堂

多磨霊園にある、ロッカー形式の墓所に遺骨を収蔵する納骨堂である。使用期間は30 年であるが、更新することができる。




⑤ 立体埋蔵施設(立体式墓地)
写真6 立体埋蔵施設(青山霊園)

区部霊園(東京23 区内の霊園)の再生事業の一環として設置された施設で、使用者は地上のカロートに20 年間、遺骨を3 体まで埋蔵することができる。また、外壁に家名板を設置することができる。20 年後には地下の共同埋蔵施設に納められるため、管理料やお墓を継ぐ人の心配がいらないタイプの墓所である。




⑥ 合葬埋蔵施設(合葬式墓地)
写真7 合葬埋蔵施設(小平霊園)

一つのお墓に多くの遺骨を一緒に埋蔵する施設で、平成10 年度に導入された。
①~⑤のうち現在貸付が行われている施設に新規使用者が申し込む場合には、遺骨をもっていることが条件となるが、合葬埋蔵施設は自分自身の将来のためのお墓として、生前に申し込むことができる。
遺骨を骨壺に入れた状態で安置する期間を使用許可から20年間とし、その後は共同埋蔵する「一定期間共同埋蔵」方式と、遺骨を納骨時に共同埋蔵する「直接共同埋蔵方式」がある。




4.樹林墓地の誕生

このように都立霊園には多様な形態のお墓があるが、さらに平成24 年には小平霊園に樹林墓地・樹木墓地が新たに開設された。この2 つの墓地は、平成20 年2 月の東京都公園審議会答申「都立霊園における新たな墓所の供給と管理について」に基づき、「死後は安らかに自然に還りたい」という都民の要望に応えるかたちで、新たな形式の墓所として整備されたものである。
樹林墓地、樹木墓地ともに平成24 年に完成し、樹林墓地は平成24 年度、 樹木墓地は芝の育成後、平成26 年度の募集から貸付を開始している。


写真8 樹林墓地の共同埋蔵施設

どちらもシンボルツリーのある墓域内に、遺骨を絹の袋に移し、直接土に触れるかたちで納めるのは同じであるが、樹林墓地は樹林の下に設けた共同埋蔵施設(写真8)に、多くの遺骨を一緒に納め、樹木墓地は一体ずつ土を掘って個別に納めるという違いがある。また、樹林墓地は生前での応募が可能であるが、樹木墓地は遺骨を持っている人のみ応募ができる。


樹林墓地を初めて募集した平成24 年度には、「終活」ブームなどの影響もあり、マスコミに多くとりあげられるなど、大きな反響があった。
都立霊園で初めての施設ということもあり、現地で都民案内会を開催したところ、300 人募集に対して2,553 人の応募があり、急きょ参加者を400 人に増やして実施された。平成28 年度の使用者募集においても、樹林墓地については平均10.0 倍と人気を継続している(表1)。



表1 公募受付状況の推移(平成26 年度~平成28 年度)



写真9 樹林墓地(小平霊園)



樹林墓地は、自分自身の将来のために生前で応募できることが人気の理由の一つとなっている。合葬式墓地も同様に生前で申し込めるが、「自然に還る」「緑に囲まれて眠る」というイメージが、自分自身のお墓を選ぶ上での選択理由の一つになっているようである。

また、遺骨を粉状にして土に還すことが選択できるので、散骨のイメージに近いことなど、さらに「多様化」に応えるかたちが人気に反映していると推測される。
しかし中には、樹林墓地を「樹木葬」ととらえて、一般埋蔵施設のように区画割された敷地に墓標の代わりにサクラなどの木が植えられているような墓地をイメージされることもある。
特徴や埋葬方法を正しく、十分に理解してから応募してもらえるように、応募者には丁寧に説明することが重要である。そのため募集時には大量の問い合わせに丁寧に時間をかけて対応する必要があるため、平成25 年には、コールセンターを導入して対応窓口を拡大している。


5.個別事情に合わせた多岐にわたる案内業務

このように、都立霊園ではお墓の選択肢が増えている。希望者から応募前の相談を受けるときには、それぞれの事情にあったお墓を案内する必要がある。
一般埋蔵施設を希望する人であっても、中にはお墓を継ぐ人がいない場合には、合葬式墓地や樹林墓地などが適している場合もある。逆に、子供も孫もいるけれども、自分たちのお墓のことで迷惑をかけたくないので合葬式墓地を選びたい、という人には、申込みの前に家族でよく話し合ってもらい、場合によっては一般埋蔵施設なども検討するよう勧める場合もある。将来、子供が親と同じように歳をとった時に、また自分たちのお墓について考えるときがやってくるが、そのときにお墓について悩むことになる場合もあるからである。またお墓は、遺骨を埋蔵する場所であると同時に、残された人々が身近な人の死という大きな悲しみから少しずつ心を癒していく場でもある。残された人にとっても、どういう場所でどういうお墓でお参りをするのがよいかということも重要である。
また、近年の応募者からは、お墓の持つ新たな役割を知らされることもある。自分自身のために樹林墓地を申し込んだ、元気な60 代の女性に話をきいたところ、将来の心配ごとをなくしてこれから思う存分第二の人生を謳歌するために申し込んだとのことであった。お墓が死者のため、残された者のためだけでなく、現在の人生を充実させるための役割をも持つのである。今後の高齢化社会において、お墓は「生きる」ための材料となっていくのかもしれない。
小平霊園には全国の自治体からも問合せや視察が相次いでいる。テレビなどで小平霊園の樹林墓地を知った住民から、「自分たちの地元にも樹林墓地を」という要望が出てきているケースもある。実際に計画にとりかかり始めている自治体もあり、今後、新形式の共同埋蔵型のお墓は、全国的な波になっていく可能性がある。民間の霊園などでもさまざまな新しいかたちのお墓が登場しつつある。選択肢が増える中、一生に一度あるかないかのお墓選びはますます大変になる中、より一層、正確でわかりやすい情報提供が重要になっている。


6.荒れてしまうお墓

新規使用者の募集においては、人気の高い都立霊園であるが、一般埋蔵施設などお墓が継ぐ人が必要な墓所で、連絡のつく人がいなくなり、無縁墓地として改葬することになるお墓もある。また、使用者がいても、何らかの事情で墓参に来られず、樹木や雑草が繁茂してしまう「荒れ墓所」もある。現在公園協会では管理料の滞納者に電話をかける督促業務を行っているので、その際は事情をよく聞く必要がある。また、管理料が支払われていてもお墓が荒れてしまっている場合は、写真をつけて手紙を送るなどして、早めにコンタクトをとるようにしている。話の中で、お墓を継ぐ人がいない場合は、合葬式墓地に移ることができる施設変更制度などを案内して、できるだけ無縁墓地とならないよう早めの対策に努めている。


7.都立霊園の持つもうひとつの役割

都立霊園は東京の貴重な緑を保有する公園墓地として、多くの人々が訪れる公共施設としての役割ももっており、墓地としての静謐な環境の保全に加え、公園としての安らぎをもたらす空間づくりも踏まえた維持管理が必要である。
さらに、都立霊園のもつ緑の価値をより多くの人に知ってもらうために、みどりマップの作成や、ホームページで季節の花々の紹介などを行っている。
また、都立霊園は霊園そのものがもつ歴史に加え、多数の著名人の墓所がある。「墓マイラ-」や観光客、歴史に興味のある人々などが、著名人をたずねて霊園をめぐる姿も少なくない。観光バスで大勢が訪れることもある。特に谷中霊園には国内だけでなく、海外からも多くの観光客が来て、写真をとったり大きな石碑をながめて感心したりしながら、日本の文化に触れている。
この歴史的価値をより多くの人々に知ってもらうために、都立霊園に眠る著名人のパンフレットを作成したり、英語版の案内マップを作成したりするなどの取組みも行っている。
しかしながら、都立霊園は墓地であるということが大前提である。第一に、墓地使用者の心情に配慮しなければならない。大切な家族の思い出を感じながらお参りしているところで、観光客がわいわい騒いでは大変迷惑なことになってしまう。公園や観光地として利用する人々に、お墓であるというご理解を得ることも重要な任務である。


8.公園協会における情報共有

都立霊園は、東京都内に点在し、管轄する市区もそれぞれ異なる。中には小平霊園や多磨霊園のように、2 つ以上の市にまたがっているところもある。
また、ここまで記述してきたように、施設の種類が増え、役割や設備制限等もそれぞれ多岐にわたっている。それらの施設において公平・公正な手続きを統一的に行うためには情報共有と意思統一が必要であることから、公園協会では長年、各施設責任者による会議体を活用して情報共有を行っている。会議の名称や構成等は数年おきに見直されている場合があるが、現在は概ね以下のような状況で行われている。


(1)会議の概要

① 会議体の名称
霊園・葬儀所会議


② 目的
  • 霊園業務における情報共有、課題解決、方針決定の事前議論及び周知
  • 指定管理者としてのレベルアップに関する提案・協議


③ 開催頻度
月1 回


④ 開催場所
公園協会本社会議室及び各霊園管理事務所・管理所(議題やスケジュール等により、関係する現場を確認しながら会議を行う)


⑤ 参加者
  • 各霊園・葬儀所の所長
  • 本社部長、課長(議長)、係長、専門調査員等 合計16 名


⑥ その他
  • 会議の議論は、議事録や録音データ等により保存し、必要に応じて活用している。
  • 会議で決定した事項については、再度文書で各所に通知する。
  • 会議で必要が生じた場合は、別に事務担当者会議やPTを設置して議論する。


(2)議題例

① 火葬許可証の再発行(情報共有)
市町村長は、火葬許可証発行の事実を確認した上で許可証を再発行することとされているが、「火葬許可証は再発行しないもの」として対応する市町村もまだ見受けられる。「火葬許可証発行済証明書」等による対応する場合もあり、市町村によって対応が異なる実態がある。


② 改葬許可証の交付(情報共有)
東京都立霊園では、新規使用者に対する書類審査の際、遺骨の状態の確認のため、埋収蔵証明書の提出を求めているが、山間部や農地等にある墓地管理者が不明確な墓地等では証明書が発行されないケースがある。そうした墓所については市町村に事情を伝えた上で、改葬許可証の発行を求めている場合がある。


③ 東京都立霊園における承継手続の案内文書について
都立霊園における承継手続案内に関する別紙文書の記載について、よりわかりやすい表記を検討。


④ その他東京都霊園条例等に関わる議題例
  • 新規使用者募集に関する情報共有
  • 管理料収納に関する情報共有
  • 墓石簿の閲覧について
  • 一墓所一墓石一家名について
  • 管理料滞納者への督促業務に関する情報共有
  • 住所変更の届出方法についての議論
  • 施設変更制度の周知について
  • 無縁改葬の手続き、スケジュール等
  • 合葬埋蔵施設の承継
  • 霊園内における営業行為について
  • 条例・規則改正の情報共有、周知
  • 大震災等に対する防災対策
  • 彼岸時の安全管理


9.おわりに

日本の全ての墓地は、墓地、埋葬等に関する法律のもとに運営されているが、許可権者である市区等がそれぞれ異なることから、それぞれの墓地、霊園ごとに少しずつ異なった状況や問題が生じている可能性が高い。以上に述べたように公園協会では主に会議体により情報共有が行われている。これは、一つの組織内であるからできることであるが、全国の墓地や霊園が情報共有を行って、統一的な対応を行うには別の手段が必要である。
また、会議体で情報共有ができた場合でも、その情報の保存や会議の記録などをどのように保存し、共有し、活用するか、また情報の更新をどのように行っていくかが今後の課題である。



4-1-3 「場」の共有の重要性と広域行政の必要性

公益社団法人 全日本墓園協会 事務局

前述した「東京都公園協会」や「環境事業協会(大阪市)」では、管理している複数の霊園において、安定して適正な墓園の管理業務を行うにあたって、対面を主とした情報の交換を行う「場」の共有化が、重要な役割を果たしていることを知見として得られた。
本稿の「はじめに」でも述べた通り、墓埋法の運用の新たな受け皿となった「市」「特別区」、「町」「村」で実務にあたる担当者にとって、ノウハウを身につけていく「場」の共有といった支援体制が組織的、あるいは人的に十分に整えられている状態とは言い難い現状であると想定するものの、具体的な状況を確認できるまでには至らなかった。
そのため、こうした「場」の共有により管理・運営に関する情報の交換を行うには、単独の市区町村で「場」を設けるのではなく、いくつかの地域による連携体制を持つのが望ましい方法であると、筆者をはじめとする研究会では考えるところである。この「広域行政の必要性」については、総務省においても「個々の基礎自治体は規模、地理的条件等の事情が異なるため、事務事業によっては、広域的な連携の仕組みを積極的に活用し、複数の地方自治体が協力して実施することで、より効率的で、かつ質的にも向上した事務処理が可能となります。」と述べられているところである[14]。「広域連携の仕組みと運用について」は、総務省のweb サイトの資料「共同処理制度の概要」にて詳細が確認できる。



図3 広域連携の仕組みと運用について[15]



この連携体制については、ゴミ処理や消防などの事務を中心に広く活用されている一部事務組合や広域連合といった枠組みを使って、墓埋葬法に関する管理・運営について連絡し協議するための「場」を活用することが望まれる。生老病死という言葉で示されるように、お墓は人の死と結びついているものであるが、亡くなった人を悼むための社会的装置としてのお墓は、亡くなった人の死後の住処だけでなく、遺された人が大切な故人の死を受容するための役割を担うものである。そこでは、介護、火葬、清掃、消防といった業務で発生する問題や課題が発生しがちであり、ノウハウの共有、情報交換によってのみ、安定して適正な業務の管理・運用がなされると想定するのは一定の蓋然性があるといえよう。
なお、平成28 年4 月には総務省自治行政局市町村課から各都道府県市町村課及び各指定都市企画担当課に宛てて、「連携中枢都市圏構想推進のための地方財政措置」といった事務連絡文書が出されている[16]。平成27 年3 月の「連携中枢都市圏構想の推進」[17]では、その意義として「地域において、相当の規模と中核性を備える圏域において市町村が連携し、コンパクト化とネットワーク化により、人口減少・少子高齢化においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持するための拠点を形成」を挙げている。
そこで求められるものとしては、①圏域全体の経済成長のけん引、②高次の都市機能の集積・強化、③圏域全体の生活関連機能サービスの向上の3 つが挙げられている。
生活関連機能サービスの向上では、地域医療の確保や充実、地域公共交通ネットワークの形成等が想定されているが、こういった生活関連機能サービスと関連させ、墓埋法に関する管理・運用に関する「場」の共有、地域間の連携体制を確保することも一案であろう。
その他、お墓に関する問題は、「契約」の側面から消費生活に関するものという捉え方もできる。実際、全墓協に対して日常的に各地の消費生活センターの相談員から問合せが寄せられている。また、東京くらしweb(くらしに関わる東京都の情報サイト)の「消費生活相談FAQ」では大項目「食べる」「住む」「身につける」「学ぶ・働く」などをさらに分けて、さまざまな事例を挙げているが、「その他」には「葬儀」の項目がある。「霊園に墓を建てたいが、指定石材店が高い。できれば他業者に頼みたい。」「数年前に購入した墓を解約する。永代使用料を返金してほしい。」他4 件の設問が挙げられている[18]。このように「消費生活相談の一環として捉え、情報交換の「場」を設けることも一案であろう。
以上が、現行の制度下において、各々が得た知恵や経験が言語化し、「知識」化させるための、対面による「場」の共有に対する提案とする。



[14] 総務省資料:広域行政・市町村合併:総務省web サイトhttp://www.soumu.go.jp/kouiki/kouiki.html
[15] 総務省資料:「共同処理制度の概要」:http://www.soumu.go.jp/main_content/000196080.pdf
[16] 総務省資料:http://www.soumu.go.jp/main_content/000472974.pdf
[17] 総務省資料:http://www.soumu.go.jp/main_content/000477789.pdf
[18] 東京くらしweb :http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/sodan/faq/


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