平成28年度厚労科研費研究に伴う

「墓地の経営・管理に関するFAQ」

  FAQ記載の参照番号は、墓地管理士通信教育テキストの番号に準じております。


「墓地の経営・管理に関するFAQ」


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FAQ 2.個人墓地に関する問題


Q1.[墓埋法第26条における「みなし墓地」の管理と再貸付け]に関する質問

「墓地、埋葬等に関する法律」第26条における、いわゆる「みなし墓地」の管理者が、墓地区域内の整地を行い、その後空いたスペースに墳墓を設置するような場合、新たな許可が必要とされるのか。 (都道府県の職員より)

Answer

墓埋法第10条第2項が適用され、新たな許可が必要です。同項では「区域を変更しようとする者」と述べられていますから、仮に、全体の面積が変わらなくても許可が必要です。ご質問のケースでは、墓地内の整備にとどまらず、建てられる墳墓の基数も変更される内容なのですから、当然新たな許可が必要とされます。

参照:Q2-2

Q2.[個人墓地の相続(承継)に伴う名義変更]に関する質問

個人墓地について、いわゆる相続(承継)に伴い、墓地の名義が替わる場合、経営主体の変更とも考えられる。このような場合は、その都度、都道府県知事に許可を受けなくてはならないか。
当市では、相続(承継)に伴う届出・相談を受けた場合は、市の管理している墓地台帳に、変更された事項について新たに記載しているが、そもそも個人墓地の場合、相続(承継)したからといって、届出る必要があるか。 (地方公共団体の職員より)

Answer

過去の通知・通達(「墓地、埋葬等に関する法律施行上の疑義について」〔昭和27年10月7日衛環第88号〕、「墓地、埋葬等に関する法律の疑義について」〔昭和31年11月16日衛環第113号〕)によれば、いわゆる相続(承継)に伴い、墓地の経営者の名義がかわる場合は、「新たに(相続・承継した者に)経営許可を行う」という対応を求めています。しかし、個人墓地の場合、一般的な法人に対する墓地の許可を行う場合に求める各種書類と同じものを提出させるというのは、現実的な対応ではないように思われます。墓埋法では、墓地の許可については行政の長に対して大幅な裁量を与えておりますので、特に「市の管理している墓地台帳に変更された事項に関して、新たに記載」ことをもって、新たな許可とするのだとしても、何ら問題はないと思われます。事実、各地方公共団体の条例や規則などでは多くの場合、「特に行政長が必要と認める場合」には許可を行うという但し書きが設けられております。ただ、以上のことが前提となっておりますので、相続(承継)した場合には、届出てもらわなければなりません。

参照:Q2-10

Q3.[個人墓地移転登記の立法化と無許可墓地に対する罰則の適用について]に関する質問

本県では、地域特性により、個人が墓地の経営を行なってきた経緯があるため、次のような問題が生じている。これにどう対応したらよいか、ご教示願いたい。

Answer

ご質問ごとに回答します。
①について
個人墓地の場合、当該地の所有者)が死亡しても、所有権の移転登記がなされないという事例は珍しくはありません。ご質問は、当該墓地の祭祀主宰者が変更された場合、その墓地の所有権の移転登記を促すため、条例等で義務付けることは可能かということですが、個人墓地の場合、その承継手続きをもって経営主体が代わると考えるのであれば、特に新たな条例を設けなくても、現行の条例等において、「墓地の存する地の所有者は、その経営主体の名義であること」とされているのを敷衍して、名義の変更を促すことができるのではないでしょうか。
むしろ、「本当に無縁化しているのか、その祭祀の継承者がいるのかが判然としない。」という問題こそ、実際に調査しなくては実情が把握できず、したがって、現状の改善は望めないのではないでしょうか。
②について
公訴時効とは関係なく、許可を受けるよう周知徹底を図るべきです。
ご質問では、「3年未満の無許可墓地については、許可を受けるよう指導」するとありますが、現時点で、どの個人墓地が3年未満か判断し得ないのではないでしょうか。
そもそも、住民に墓埋法が周知されてなかったことが理由で、無許可の個人墓地が数多く存在しているというのであれば、現実的に難しいこととは理解できますが、墓埋法第26条を根拠に、既設の個人墓地すべてを対象にすべきではないかと考えます。

参照:Q2-14

Q4.[個人墓に対する経営許可の現状と無縁化について]に関する質問

個人に対する墓地(個人墓地)の経営許可付与の全国的な現状と、これが無縁化した場合、その期間の確認方法や、実際に法に則った手続きを行っているのか、現状と課題についてご教示願いたい。 (市環境保全課担当者より)

Answer

個人墓地は、昭和12年12月17日付警保局警発第154号通牒をはじめとする各種通達・通知において、明らかに特殊であると思われる場合(たとえば、「山間等人里遠く離れた場所で、墓地が存在していない場合」)を除き、新設の許可は認められず、廃止、もしくは移転・統合がすすめられてきました。墓埋法は、それほど一般的な法律ではない上、特別に申請される法律ではないため、顕在化していない個人墓地はかなりの数にのぼっているとことは事実ですが、それでも、現在、我が国における個人墓地は69万余、墓地の総数約88万の約8割を占めております(厚生労働省の統計数値)。
個人墓地の場合、当該地の所有者が死亡しても、所有権の移転登記がなされないという事例は珍しいことではないので、本当に無縁化しているのか、その祭祀承継者がいるのかが判然としないということこそ問題であります。
また、個人墓地の場合、当該地を墓地として使用している者と、その土地の所有者が異なるというケースがあり、もし、異なることが明らかであれば、無縁改葬の手続きを行い、墓地の廃止届を出すよう促すべきです。墓地使用者と土地使用者とが一致しているのであれば、その土地の処分のあり方を明確にすることが前提になりますが、この問題は、土地鑑定士や司法書士、弁護士が取り扱う問題となります。
こうした現状ですから、個人墓地への対応は、まさしく自治事務として地方自治体の独自の判断が求められている問題です。行政の担当者としては、管区をこまめに見回り、その実態を把握した上で、改善命令や指導を行うとともに、もし、使用者の存在が伺い得ないような場合には、許可処分を行うことについては、行政の長に大幅な裁量が与えられているのですから、手続上、問題はないと思います。

参照:Q2-18


「墓地の経営・管理に関するFAQ」目次

1.墓地の計画、許可などを巡る問題


2.個人墓地に関する問題


3.墓地の管理等に関する問題


4.埋蔵・分骨・改葬などを中心とした問題


5.使用料・管理料の徴収、滞納管理料などに関する問題


6.使用権の承継や失効などに関する問題


7.無縁墳墓(墓所区画)の取り扱いに関する問題


8.埋蔵委託管理型(永代供養墓)に関する問題


9.墓埋法の基本に関する問題


10.墓埋法に係わるその他の問題


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